たまたまやってきたフランス人の映像作家に見出され、
レコードデビューの話が持ち上がったのですが、
彼らの生活状況の過酷さから、レコーディングには4年もかかったそうです。
昨年、とうとうメジャーデビューを果たして成功し、
フランスをはじめ、ヨーロッパツアーを行ったところまでが映画になっていました。
映画の作りは「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」に似ていて、
最下層から一躍、世界の檜舞台へ、という流れも同じなのですが、
少し荒削りで、その分、生なリアル感が出ています。
14歳でメンバーに加わった少年(今はもう、青年になっていますが)は、
7歳の時に、空き缶と木切れにギターの弦を1本張って自分で楽器を創ったそうで、
ずっとそれを演奏しています。
非常に素朴な作りの楽器で、あんなに豊かないい音が出せるということ、
それを自分で創って奏でている、創造性や音楽性に驚いたのはもちろんですが、
なによりも、彼の澄んだ瞳が忘れられません。
突然の成功で、若くして環境の激変を経験した彼が、
これからも、自分を見失わずに、
澄んだ瞳のままずっと生きて行ってくれることを願っています。
あんなに過酷な状況のなかでも、自分をしっかり持ってここまできた彼ですから、
きっと、大丈夫でしょう。
スタッフ・ベンダ・ビリリは、これから日本全国を回ります。
ヨーロッパツアーで磨きのかかった彼らの演奏は、
映画やCDのときよりもさらにパワーアップしているそうです。
ぜひ、生で触れたいと思っています。
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